今年はオリンピックもあり、江ノ島を中心に盛り上がりを見せているセーリング。でも初心者から見たら遠いし、何をしているのかわからない。そんな声が聞こえてきそうなので今日は初心者にもわかりやすくご紹介します。
ヨット(ディンギー)とは
お大まかに言えば帆が付いた船といいましょうか?ヨットと言うとほとんどの人はこのような大きなクルーザーを思い浮かべるのではないでしょうか?
確かにこれは’ヨット’の一部ではありますが、今回ご紹介するオリンピックなどのような競技性の高いものではありません。(もちろん世界にはたくさんこのようなおおきなヨットで行うレースはありますが)
じゃあオリンピックのような競技はどんなもの?
セーリング競技は原則レースです。簡単に言えば「一斉にスタートして誰が一番最初にゴールラインにたどり着けるか」というシンプルな内容です。一見すごくシンプルに見えるでしょう。しかし実はかなり奥が深いんです。(笑)
かけっこやマラソン、モータースポーツ、そして僕が最近はじめた自転車競技(ロードレース)などは決まったコースがありますよね? なので必然的にみなほぼ同じ道を通ります。しかしながらセーリングと言うのは全長数kmのコースの中で4箇所ほどのポイントとなる場所(ブイ)があります。これらのブイを回航(ブイの周りを回る)したり、間を通ったりして競技が成り立ちます。逆に言えば、ある一定の場所さえ通ればOKということになります。
藤沢市ヨット協会様から引用させて頂きました。
ここにある1つのコースの例を示しています。この図にある通り上のブイを回って3のブイに行き、今度は2のブイに向かって最後にゴールラインに向かいます。
少し頭の回転が良い方ならお気づきでかもしれませんが、実はこの図上側が北を示しているわけではないんです。この図の北は風上(風の吹いてくる方向)を示しているのです。これが何を意味するのかは後で詳しく説明します。
ヨットの推進における制約
先ほどセーリング競技とは好きな道を使って戦うレースだと説明しました。セーリングという競技は海上にて行われます。なので360°他のライバル以外は原則何も障害物がないのです。しかし、ヨットという乗り物は360°全方位には進めません。
ヨットは風の力を推進力に変えて動いています。言い換えると、風を受けてそれを利用して動力源にしています。これは風の受け方によって動き方が異なるということも意味しています。
大げさに例をあげるならば、風を真っ正面から受けてしまって全く進まない状況、つまり動力を完全に無くした状態がもっとも分かりやすいです。暴風のなか人が歩きにくいのと同じです。
レースの勝敗を分けるものは?
なぜこれが関わっているのでしょうか?先ほどのこの図を見て下さい。
この図ではスタートから1のブイまで直線で描かれています。しかし実際には先ほど説明した通り風上(風の吹いてくる方向)には真っ直ぐ進めないためジグザグに迂回しながら進みます。
その進路はいっぺん数kmの正方形の中で行われる為、その進路のバリエーションは無数に存在しています。
このジグザグの進路はスキッパー(日本語なら船長)がある一定のルールのもとで無数の選択肢の中から自由に決めることができます。
この大きな自然の中のレースエリアで行われ、その船が風を受けて走っている位置によって風の強弱が異なる為、有利不利が大きく分かれます。
この有利不利をどれだけ見極めながら、自分の船を有利にレースを行って行くかが大切になります。これがセーリングの難しい面でもあり、楽しい部分でもあるのです。
いかがだったでしょうか?少し初心者の方でも分かりやすいように意識してかきましたが、もし質問があればどしどしお送り下さい!
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