最近ネットワーク系の記事を多く書いてます。管理人のhiroです。最近ルーター関連のエラーが多くてよく用語を調べているのですが、
- IPv6、IPv4
- PPPoE、IPoE
- IPv4 over IPv6
- v6アルファ
- transix
- etc…
と多くなってきて訳が分からなくなってきたので、出来るだけ詳しく調べてまとめて行こうと思います。(ほぼメモ状態なのはお許しを笑)
IPアドレス
まずは根本であるIPアドレスについてまとめて行こうと思います。
「IPアドレスとは簡単に言えばインターネット上の住所である」みたいな話は聞いた事があると思います。解釈はそれで合ってますが、正確には”通信プロトコル”のバージョンを指します。
プロコトル(protocol)とは複数の者が対象となる事項を確実に実行するための手順について定めたもの、つまりルールを表しています。
このIPアドレスには2種類存在しています。
IPv4
Internet Protocol version 4の略であるIPv4は今までの通信で利用して来た住所です。よく「192.168.1.xxx」みたいな物を見た事があると思います。
現代でよくIPアドレスと言った場合はこれを指す事が多いです。macアドレスが物理アドレスと言われるのに対して「論理アドレス」と言われる事もあります。
このIPv4のルールでは住所は32bit(2進法で32桁で表すという意味)で扱われています。これは規格が出来た当時はコンピューターの性能が低く、32bitが処理を行うのに最適とみなされた為だそうです。
このアドレスでは2の32乗個(42億9496万7296個)用意する事が出来たのですが、近年のインターネットに接続するコンピューターの増加によって2011年2月には足らなくなってしまいました。なのでIPv6が出来たという訳ですね。
IPv6
IPv4がver4なので勿論IPv6は”Internet Protocol Version 6″の略です。「2001:0db8:1234:5678:90ab:cdef:0000:xxxx」のように表示します。
このルールは128bit(2進法で128桁)で表されるので理論上は約340澗(3.4×1038)個あるのでしばらくは枯渇しないとされています。
これら2つには互換性がないので、IPv4で記されたサーバーにIPv6では接続出来ません。そこでその問題を解決するのが次の”IPv4 over IPv6″です。
IPv4 over IPv6
今回はわかりやすくする為に図式化します。まずIPv4の通信を以下のように自転車に乗っている状態としましょう。
※今回はわかりやすく説明する為に、IPv4はPPPoE接続、IPv6はIPoE接続に限定しています。(詳細は後述)
これは通信する道中を観光に見立てた物ですw
そして、IPv6の通信を車に乗っている状態とします。
そして本題の”IPv4 over IPv6″は以下のような状態です。
一連の流れを説明すると、
- 出発
- 道路にきたらトラックに乗る(カプセル化)
- そのままほとんどをトラックで移動
- 直前でトラックから降りる
- そのまま自転車でフィニッシュ
みたいな流れになります。
難しく説明するとIPv6(IPoE)の通信パケットの中にIPv4(PPPoE)をカプセル化(IPv6に見立てたカプセルの中に入れる)し、IPv6で通信できる技術になります。
つまり簡単に説明するとこの技術はIPv4であってもIPv6に包めば、IPv6で通信出来るという技術です。
ただこれだとなぜそのような事をわざわざするのかがわからないと思います。実はこれは先ほど説明した「IPv4とIPv6は互換性が無い」というのが原因なのです。
現時点のかなりのサーバーがIPv4を使った使用しています。そこでIPv6を使ってるサーバーへの訪問者がIPv6で通信しようとしても通信出来ません。よってこのような不都合が出来てしまいます。
よってこの”IPv4 over IPv6″という技術が出来たという事ですね。
(「行きたいけど早く着きたい…」って思ってますw)
因みに、これらの各IPアドレスの通信データを擬似的にカプセル化して搬送する技術の事をトンネリングとも言います。
ネットワーク技術におけるトンネリングとは、インターネット等のなんらかのネットワークで接続されている、物理的and・or論理的に離れた2点間を、仮想の回線(トンネル)によりあたかも同一点であるかのように扱えるようにすることである。
【引用】Wikipedia – トンネリングより
PPPoEとIPoE
この2つの共通部分である”PoE”は”Protocol over Ethernet”つまり接続方式を表しています。
PPPoE
日本ネットワークインフォメーションセンター様の説明がとても分かりやすかったので引用させて頂きました。
PPPoE (PPP over Ethernet)とは、 PPP (Point-to-Point Protocol)というプロトコルの機能を、 Ethernet上で利用できるようにしたプロトコルです。 PPPoEは、PPPをカプセル化してEthernet上で伝送します。
【引用】日本ネットワークインフォメーションセンター様より
PPPの機能の中には、 ユーザーの認証やIPアドレスの割り当て等が含まれます。 PPPoEでは、Ethernet上においてホストとアクセス集約装置の間でPPPoEセッションを確立した後、 その二つのノード間でPPPセッションをトンネルすることによって、 PPPを用いてユーザーの認証やIPアドレスの割り当て等の機能を実現することができます。 トンネルとは、ある通信プロトコルを別のプロトコルでカプセル化して通信できるようにすることで、 そのような通信の方式をトンネリングと呼びます。
この説明が分からなくとも昔の電話回線時代から使われていたものであるという事をお分かり頂きたいです。
IPoE
IPoE(IP over Ethernet)方式のIP(アイピー)とは、Internet Protocol(インターネット・プロトコル)の略で、インターネットで情報を送受信するための基本的なルールという意味です。
https://www.ntt.com/business/services/network/internet-connect/ocn-business/bocn/knowledge/archive_13.html
この2つの明確な違いは、
ISP(プロバイダー)の認証がない!
事です。これによる恩恵が速度アップであるという事です。
今までの通信である”PPPoE”は一々認証を行なっていた為そこで簡易的な渋滞が起こってしまっていました。(言い換えるなら料金所?)そこでその認証を取っ払ってしまったのがIPoEです。
ここまでのまとめ
必ずおさえておきたいのは
IPv4=PPPoE、IPv6=IPoE では無い
という事です。なぜなら接続方法は
- IPv4 PPPoE
- IPv6 PPPoE
- IPv6 IPoE
の3つあるからです。
この中で高速化出来るのはあくまでも“IPv6 IPoE”だけであって、特に”IPv6 PPPoE”は速度に関して言えば特に何も恩恵は受けられません。
v6プラス(transix, v6アルファetc…)
先に言っておくと、この「v6プラス」というのはあくまでも日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)提供しているサービス名です。
NTT東西の次世代ネットワーク(NGN)を利用するISP事業者がIPv6及びIPv4の設備を持たずにインターネット接続サービスをお客さま(エンドユーザ)へご提供いただくためのサービスです。
本サービスは、「IPoE方式」によるIPv6インターネット接続とIPv6ネットワーク上で実現するIPv4インターネット接続(IPv4 over IPv6)のデュアルスタックのローミングサービスです 。
【引用】日本ネットワークイネイブラー社ホームページより
その為、プロバイダーによっては名称が異なり、
- v6プラス
- IPv6オプション
- transix
- v6アルファ(ocnバーチャルコネクト)
- IPv6高速オプション
などの名称で呼ばれています。
これらのサービスはほぼ同じサービスを提供しており、主に先ほど説明した、
- IPv4 over IPv6
- IPv6 IPoE
の2つを合わせて提供しているサービスになります。
つまり、高速通信も出来て下位互換もあるという事ですね。
因みにこれらのサービスを利用する為には専用ルーター又は対応ルーターが必要になります。
これはただIPv6に対応しているだけではダメで、きちんと”v6プラス対応”などと表記されているものが必要があります。
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